臨済宗大本山妙心寺は約650年前に開かれました。
当時の社会世相と現代の社会世相とは、人間不信という言葉でいい表わされているように、人々が孤立化しているという点において大変似ています。
そのような時代に人々の悩みを救済するため、病床にあった花園法皇さまはご自分の離宮を妙心寺となされ、無相大師さまをご開山さまに迎えられようと貞和3年(1347)7月22日に手紙をしたためられます。これが花園法皇御宸翰とされる文章です。
御宸翰の中には、「報恩謝徳」のこころを社会に生かすことによって人心の乱れを救い、人々の生活が平安になりますようにと祈られていました。
そして、現代に至るまで報恩謝徳のみこころは伝わってまいりました。
花園法皇さまよりの「報恩謝徳」のこころを常に忘れることなく、社会に反映させて行くことが臨済宗妙心寺派の信念であり、この心を家庭生活に生かすことが信心なのです。
さて、この「報恩謝徳」のこころこそ「おかげさま」の心に他なりません。この言葉は現在忘れられつつありますが、この言葉の持つ心こそ、私たちの生活の中になくてはならない心であります。
私たちのくらしは、食物からエネルギー・環境に至るまであらゆるものの恩恵を受けています。おかげさま、ありがとうの言葉が素直に出てくるような社会こそ、私たちにとって、より良い花園となるのです。